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いたって明解な殺人 [ミステリ小説]

アトランタ、ピーチツリー・バトル・ロード。一泊旅行から自宅に戻ったアダムは、妻の遺体と、その傍らで独り言をつぶやき続ける息子を発見。弁護士の兄モンティに電話をかける。

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ひとり息子アンドリューには重度の知的障害があり、過去にも母親に暴力を振るっていたことから、事件は簡単に解決するかに見えたが・・。

グラント・ジャーキンスのデビュー作。途中、ジム・トンプスン(「おれの中の殺し屋」など)を思い浮かべたくらい、良い人が登場しません。だから、トーンはとことん暗い。でも、なぜかやめられません。一気読みです。

一見シンプルそうでいて、一筋縄では行かないストーリー展開に翻弄されます。現在の事件の謎解きに止まらず、アランとモンティ兄弟、そして、検事たちの過去の経緯も絡んで読み応え充分。また、最後の最後まで、どんでん返しが待ち受けています。

心理サスペンス、リーガル・サスペンス、法廷ミステリーと、一冊で三度美味しい本作は、映画化も決定しているそうです。たとえ肩入れできる登場人物がいなくても、このラストには大満足。★4
(画像は、高級住宅地ピーチツリー・バトル・ロード)

いたって明解な殺人 (新潮文庫)

いたって明解な殺人 (新潮文庫)

  • 作者: グラント ジャーキンス
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/03
  • メディア: 文庫



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