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死刑囚 [ミステリ小説]

フィンランドのトゥルクからストックホルムへ向かう客船内で、暴行事件が起きる。ストックホルム市警のグレーンス警部は、船から消えた容疑者を逮捕するが・・。

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自宅へ戻っていたところを、あっけなく捕まった容疑者ジョン・シュワルツ。挙動が不審な彼のパスポートには偽造された形跡があり、更に調べを進めると、ジョンはすでに死亡したはずの、アメリカ人死刑囚だったことが判明します。

ジャーナリストと元受刑者コンビ共著の、エーヴェルト・グレーンス・シリーズ第3弾。内容や描写がリアル過ぎ、読み終えた後は必ず落ち込むと分っていながら、つい手にしてしまうのは、主要登場人物たちの強烈な個性ゆえ。

特に、60年代女性歌手のテープを仕事場でも大音量で流し、尊敬に値しない人物と思えば上司といえど噛み付きまくる、そんなわが道を行くグレーンス警部には惹かれます。

毎回、衝撃的な事件の中にスウェーデンが抱える問題を織り込み、問いかけてきますが、今回は死刑制度。その是非云々ではなく、自分のような無関心層も思わず考えさせる筋立てが見事。★3.5
(画像は、ジョンがロシアへ移送されたブロンマ空港)

死刑囚 (RHブックス・プラス)

死刑囚 (RHブックス・プラス)

  • 作者: アンデシュ ルースルンド
  • 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
  • 発売日: 2011/01/08
  • メディア: 文庫



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