ラスト・チャイルド [ミステリ小説]
13歳のジョニーは、この1年間、誘拐されて行方の知れない双子の妹アリッサを探し続けている。ある日、偶然遭遇した殺人事件の被害者から、「あの子を見つけた」と告げられるが・・。
「あの子」がアリッサだと信じ、ますます独自の捜索にのめり込んで行くジョニー。しかし、町では最近、別な少女誘拐事件が起きていて、大人たちは、今現在行方不明の女の子を指すと考え、誰もジョニーの話に取りあいません。
なぜ13歳の少年が、ひとりで事件を追っているのか。その理由が徐々に明らかになるにつれ、相反する感情の間を行ったり来たりすることになります。ジョニーに同調する自分と、認めがたい自分との狭間で。どちらにしても切ないです。
とにかく、本作全編が切ない。アリッサの事件が呼び寄せたさまざまな出来事と、それに翻弄され、今も苦しみ続ける人々の描写は、ミステリー小説の枠を超えて、読者の心に訴えかけてきます。
とは言え、推理小説としても素晴らしく、謎の糸口を見つけたかと思うと、そこには次なる謎が待っていて、本を置くことが出来なくなります。また、読者の意表を突く展開も見事。思いがけず、読後感も爽やか。お薦めです。★4.5
(画像は、ジョニーがアリッサを探し続けたノース・カロライナ州の山林)
「あの子」がアリッサだと信じ、ますます独自の捜索にのめり込んで行くジョニー。しかし、町では最近、別な少女誘拐事件が起きていて、大人たちは、今現在行方不明の女の子を指すと考え、誰もジョニーの話に取りあいません。
なぜ13歳の少年が、ひとりで事件を追っているのか。その理由が徐々に明らかになるにつれ、相反する感情の間を行ったり来たりすることになります。ジョニーに同調する自分と、認めがたい自分との狭間で。どちらにしても切ないです。
とにかく、本作全編が切ない。アリッサの事件が呼び寄せたさまざまな出来事と、それに翻弄され、今も苦しみ続ける人々の描写は、ミステリー小説の枠を超えて、読者の心に訴えかけてきます。
とは言え、推理小説としても素晴らしく、謎の糸口を見つけたかと思うと、そこには次なる謎が待っていて、本を置くことが出来なくなります。また、読者の意表を突く展開も見事。思いがけず、読後感も爽やか。お薦めです。★4.5
(画像は、ジョニーがアリッサを探し続けたノース・カロライナ州の山林)