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氷姫 [ミステリ小説]

スウェーデン西部の小さな港町フィエルバッカ。両親の突然の死で帰省中のエリカは、偶然、凍えるような浴室で、幼なじみアレクサの遺体を発見する。最初は自殺と思われた彼女の死が、23年前に封印された過去を暴いていく。

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スウェーデンの女流作家カミラ・レックバリの処女作。彼女の生まれ故郷を舞台に、ひとりの美しい女性の死を巡る謎が、徐々に解き明かされていきます。

幸福の絶頂にあったアレクサが、なぜ殺されなければならなかったのか。そして誰が・・という謎解きのスリルは継続しますが、それよりも、主人公エリカやパトリックを始めとする、全ての登場人物たちが実にリアルに描かれていて、魅力的です。

大都会ストックホルムとは異なり、良くも悪くも古い暮らしが続いている町。夫婦、姉妹、親子、職場での人間関係など、日本だろうがスウェーデンだろうが変わらないんだという思いが、更に物語を身近に感じさせ、ページを繰る手が止まらなくなります。

エリカとパトリックの事件簿は、すでに6冊目まで刊行されているようです。本作でも、事件は一応の解決をみますが、登場人物たちの人生に、今後待ち受けている幾多の出来事や困難が気になるところ。次回、次々回作が楽しみです。欲を言えば、もう少し翻訳がスムーズだとよかったかも。

氷姫―エリカ&パトリック事件簿 (集英社文庫)

氷姫―エリカ&パトリック事件簿 (集英社文庫)

  • 作者: カミラ レックバリ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2009/08
  • メディア: 文庫



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