死神を葬れ [ミステリ小説]
マンハッタン・カトリック総合病院のインターン、ピーター・ブラウンの一日は、昨日までと同様、悪夢のような病棟勤務に明け、暮れるはずだった。しかし、ある患者の出現で、悪夢が地獄に変わろうとしていた。
インターンの過酷な勤務実態。看護士不足、知名度に実力が全く伴っていない著名医師など、絶対に知りたくない病院の現状や内情。原因不明のホラー的症状で苦しむ患者たち。手のかかる彼らを、興奮剤で眠気を押しやりながら診続ける主人公・・という、メディカル・サスペンスの部分だけでも充分魅力的だし、エキサイティングです。
しかし、本作のすごさは、ピーター・ブラウンの過去にあります。今の彼がなぜあるのか・・が、病院での出来事と交互に語られていきますが、その意外性、凄まじさは想像を絶しているからです。
一人の男の過去と現在。そのどちらもが、確実に危うい方向へ進んでいくため、読者は二重のプレシャーに心休まる暇がありません。実際、かなりハードな内容だし、血みどろの場面も多々あります。
でも不思議と不快に感じないのは、どこか突き放したような、あっけらかんとした主人公ピーターの語り口にありそうです。しかも、随所に散りばめられた「*」(解説)を緩衝材のように使う手法など、とてもこれがデビュー作とは思えない上手さです。
早く読まないと損をする、ひょっとして今年一番(まだ9月ですが)のお薦め本になりそな1冊。とにかく、面白い!(画像はヘルメスの杖・・詳細は本書でどうぞ)
インターンの過酷な勤務実態。看護士不足、知名度に実力が全く伴っていない著名医師など、絶対に知りたくない病院の現状や内情。原因不明のホラー的症状で苦しむ患者たち。手のかかる彼らを、興奮剤で眠気を押しやりながら診続ける主人公・・という、メディカル・サスペンスの部分だけでも充分魅力的だし、エキサイティングです。
しかし、本作のすごさは、ピーター・ブラウンの過去にあります。今の彼がなぜあるのか・・が、病院での出来事と交互に語られていきますが、その意外性、凄まじさは想像を絶しているからです。
一人の男の過去と現在。そのどちらもが、確実に危うい方向へ進んでいくため、読者は二重のプレシャーに心休まる暇がありません。実際、かなりハードな内容だし、血みどろの場面も多々あります。
でも不思議と不快に感じないのは、どこか突き放したような、あっけらかんとした主人公ピーターの語り口にありそうです。しかも、随所に散りばめられた「*」(解説)を緩衝材のように使う手法など、とてもこれがデビュー作とは思えない上手さです。
早く読まないと損をする、ひょっとして今年一番(まだ9月ですが)のお薦め本になりそな1冊。とにかく、面白い!(画像はヘルメスの杖・・詳細は本書でどうぞ)